キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜紫音編〜」

by 鳥丸 (@torimaru326)
2019/12/05

この記事はキミコエ Advent Calendar 2019、12/5(木)分の記事です。


みなさんこんばんは。コトダマ部員の鳥丸です。
投稿が遅くなりすみません。
昨日は激務に疲れてベッドに飛び込んだら朝まですやぁ( ˘ω˘ )でまったく準備ができませんでした。

ん? 疲れてベッドに飛び込むといえば……

みっちゃん(中原あやめを演じた神戸光歩さん)が初めて作詞を手がけた楽曲 『星影の在り処』 が素晴らしすぎるのでみなさんぜひ聴いてみてください。
オススメなのは、歌詞の"ぼく"をあやめに、"きみ"を乙葉ちんに置き換えて聴いてみることです。
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はてさて、今回の「それぞれのコトダマ」は紫音編。
全7編中の二つ目になりますので、前回のもあわせてご覧いただけますと幸いです。

●キミコエSS「それぞれのコトダマ 〜かえで編〜」

==<はじめに>========
◆映画本編を観た前提の内容です。
◆二次創作ですので、本来の設定やストーリーとは一切関わりません。
◆賛否ふくめ、Twitterなどで感想をいただけると大変喜びます。
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それでは始まります〜↓↓↓↓↓↓




「ねえ、コトダマってホントにあるのかな」

「ええッ⁉︎ 紫音さん、あの夏の奇跡に立ち会っていながらまだそんな疑問を持ってるというんですか?」

「だって! ……私、実はお父さんにアクアマリンを残してほしいって頼んでたの。でも、今からじゃもう無理だって。結局、全部壊れちゃって」

「頼んだ、というのはいつ?」

「……解体が始まるちょっと前」

「それはさすがに無理が過ぎるというものですよ。ですがちょっと納得しました。だからあの日、全部諦めてしまったような態度だったんですね」

「でも考えちゃうの。いつかお母さんがまたラジオをやりたいって言った時、アクアマリンのことをガッカリするんじゃないかって」

「……紫音さん? 確かに、あの場所はなくなりました。お母様もガッカリされると思います。ですが」

「が?」

「アクアマリンをなくしたくないという想いは残ったじゃないですか。実際、一度奇跡の復活を遂げていますし」

「うん、お寺のあれはホントびっくりした。みんな凄かったよ」

「フフ、波を起こしたのはあなたでしょうが。まあ私が言いたいのはですね? 喫茶店がなくなった事実より、その後の復活劇こそお母様に伝えるべきだということです。事故から10年以上経っても錆びなかった町のみなさんの記憶……ラジオを通じて集まったたくさんの思い出が、おそらく紫音さんのお母様にとっては一生の」

「宝物……?」

「それです! ああわかりましたか! ああビバ音楽の力! やはり乙葉ちんの歌詞は沁みますねえええ!!」

「あ、あやめさん、戻ってきて」

「つつ、つまりッ! 場所がなくなったって、想いが残ってるならそれでいいんです。いつかその想いに応えれば、ラジオはまた蘇る。想いの灯が消えないかぎり、ラジオアクアマリンはいつまでもそこに在り続けるんですから」

「在り続ける……。うん、そうだね。じゃあひとつ約束! お母さんがいつかまたラジオをやるなら、その時はみんなで……」




次回の「それぞれのコトダマ」は12/8(日)、今度は乙葉編になります。
お楽しみに〜


※12/5(木)23:38頃:本文、日付に関する記載を修正しました